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MANABU KISHIMOTOは何層にも重ねた絵の具を削ることでカテゴライズへの問いかけと人間の本質を描いている。

人種、ジェンダー、国籍、外見は人間を構成する要素の一つであるが、それは部分的なものでしかない。

2000年以降のSNSを取り巻く社会は人間をカテゴライズし簡略化することで理解の効率化を図ってきた。
しかし、人間というものは偶発性とカテゴライズできないグラデーションの上に成り立っている。


MANABU KISHIMOTOの作品は漆塗りの「研ぎ出し」という技法を用い制作される。

何層にも塗り重ねたアクリル絵具を水研ぎすることによって表面の絵の具が削り取られ、下から幾層にも色彩が重なりあった表情が浮かび上がってくる。

塗り重ねた絵具を削り、取り去っていく行為を通して彼はカテゴライズを削りとり、人間の奥底に秘められた本質を探究している。